小説
3日くらい前に読み終わってました。
怪獣映画みたいな小説です。恋愛要素はほとんどありません。
かろうじて、ほんの少し、匂わせる程度のものがあります。
友人に「『クジラの彼』を読むならこの本の後だろう」と言われていたんですが、確かにそうだね。
ハル君出てきているよ!(笑)
海の底で冬原が結婚したと出てきたけど、その相手がクジラの彼のあの子なんだろうな。
クジラの彼は先に読んだけど表題作しか読んでないので大丈夫ですよ!(何が)
最初読んだ時は、梅図かずおの漂流教室を思い出した。あれも巨大ザリガニに襲われるシーンがあるので。
ザリガニに襲われてなす術もなく死ぬ所とかそっくりだった。漂流教室はそんなに沢山ザリガニ出てこなかったけど。
最初の方はグロ描写が少しある。エビ怖い、ザリガニ怖いって思った。
作中でもあったけど、自衛隊を出撃させれば一発で・・というか、すぐに終わる。
それを出撃させる為のやり取りとか、駆け引きとかが、燃える。
機動隊の犠牲者の描写はやりきれない。自衛隊投入後が圧倒的だっただけに。
喘息の発作は確かに死にません。でも、死ぬほど苦しいです。自分ではどうにもならないほど苦しいです。
「どうせ死ぬわけじゃないだろう!」という一般市民の台詞も、お前の息子は発作おさまっただろうけど俺の部下は足を失ったんだよと言いたい上司の気持ちも分かるけれど。
母親の立場としては息子の発作を抑えたい、だろうなぁ・・・・うん、そんな大切なバッグを落とすなという台詞には確かに同感なんだけどね。
でも、バッグと引き換えに足を失ったと言われたらそりゃもう一生消えない傷だよな。非常時とは言え。
あそこで敢えて真実を教えなかった彼に漢を見た。
とにかく、おっさんがかっこいいです。おっさんというか、専門職の方々がかっこいい。
機動隊が一番光り輝いてるけど、警察も、ネットの軍事オタクも輝いている。海洋の専門学者も。
潜水艦に残る問題児二人、夏木と冬原は図書館戦争の堂本と小牧にしか見えなかった。クジラの彼を読んだ時は別にそんな事思わなかったのに。
そう思ったのは私だけじゃなかったようで、解説にも同じ事書いてあったよ。
子供たちが歪んでいた、と内容紹介には書いてあったけど、歪んでたのは一部だけのような気がする。
ああいう団地の形態はあるよね。一人だけ強いママがいて、他はそれに追随しなきゃならんっていう社会は。
社宅とかそうだよね。社宅でもないのに、ああいう環境があるのは不幸だなと思った。
でも、この本で一番好きなのは「何故怪物が発生したのか」「何故怪物はこの海岸を選んで上陸したのか」というのが、論理的に書いてある事ですね。
普通のパニック小説とか怪獣物って「何故そうなったのか」はないがしろになっていて、全て「突然変異」の一言で終わってしまう。
ゴジラも確かそうだった気がする。子供の頃にしか見てないので、よく覚えてないけれど。
でも、海の底はサガミレガリスが発生した理由や、巨大化した原因、上陸した原因なども、本当に現実として起こりうるかどうかはともかくとして、全部1つ1つきちんと説明してあった。
そういうかゆい所に手が届くやり方は大好きです。
たまたまとか、偶然とか、そういう事じゃなくて、異常事態に説明をつけてくれるやり方が大好きです。
しかも、あんなに憎いレガリスなのに、ダミー魚雷の周りに集まって大切に大切に送る所なんかは、あれレガリス可愛いんじゃないの、と一瞬錯覚してしまったよ。
社会性のある生き物だから、ちょっとそういう人間臭い描写があるとそういう錯覚を起こしてしまった。
そういう国の役人だから仕方ないんだ、の台詞は深いよね。
有川浩『海の底』
怪獣映画みたいな小説です。恋愛要素はほとんどありません。
かろうじて、ほんの少し、匂わせる程度のものがあります。
友人に「『クジラの彼』を読むならこの本の後だろう」と言われていたんですが、確かにそうだね。
ハル君出てきているよ!(笑)
海の底で冬原が結婚したと出てきたけど、その相手がクジラの彼のあの子なんだろうな。
クジラの彼は先に読んだけど表題作しか読んでないので大丈夫ですよ!(何が)
最初読んだ時は、梅図かずおの漂流教室を思い出した。あれも巨大ザリガニに襲われるシーンがあるので。
ザリガニに襲われてなす術もなく死ぬ所とかそっくりだった。漂流教室はそんなに沢山ザリガニ出てこなかったけど。
最初の方はグロ描写が少しある。エビ怖い、ザリガニ怖いって思った。
作中でもあったけど、自衛隊を出撃させれば一発で・・というか、すぐに終わる。
それを出撃させる為のやり取りとか、駆け引きとかが、燃える。
機動隊の犠牲者の描写はやりきれない。自衛隊投入後が圧倒的だっただけに。
喘息の発作は確かに死にません。でも、死ぬほど苦しいです。自分ではどうにもならないほど苦しいです。
「どうせ死ぬわけじゃないだろう!」という一般市民の台詞も、お前の息子は発作おさまっただろうけど俺の部下は足を失ったんだよと言いたい上司の気持ちも分かるけれど。
母親の立場としては息子の発作を抑えたい、だろうなぁ・・・・うん、そんな大切なバッグを落とすなという台詞には確かに同感なんだけどね。
でも、バッグと引き換えに足を失ったと言われたらそりゃもう一生消えない傷だよな。非常時とは言え。
あそこで敢えて真実を教えなかった彼に漢を見た。
とにかく、おっさんがかっこいいです。おっさんというか、専門職の方々がかっこいい。
機動隊が一番光り輝いてるけど、警察も、ネットの軍事オタクも輝いている。海洋の専門学者も。
潜水艦に残る問題児二人、夏木と冬原は図書館戦争の堂本と小牧にしか見えなかった。クジラの彼を読んだ時は別にそんな事思わなかったのに。
そう思ったのは私だけじゃなかったようで、解説にも同じ事書いてあったよ。
子供たちが歪んでいた、と内容紹介には書いてあったけど、歪んでたのは一部だけのような気がする。
ああいう団地の形態はあるよね。一人だけ強いママがいて、他はそれに追随しなきゃならんっていう社会は。
社宅とかそうだよね。社宅でもないのに、ああいう環境があるのは不幸だなと思った。
でも、この本で一番好きなのは「何故怪物が発生したのか」「何故怪物はこの海岸を選んで上陸したのか」というのが、論理的に書いてある事ですね。
普通のパニック小説とか怪獣物って「何故そうなったのか」はないがしろになっていて、全て「突然変異」の一言で終わってしまう。
ゴジラも確かそうだった気がする。子供の頃にしか見てないので、よく覚えてないけれど。
でも、海の底はサガミレガリスが発生した理由や、巨大化した原因、上陸した原因なども、本当に現実として起こりうるかどうかはともかくとして、全部1つ1つきちんと説明してあった。
そういうかゆい所に手が届くやり方は大好きです。
たまたまとか、偶然とか、そういう事じゃなくて、異常事態に説明をつけてくれるやり方が大好きです。
しかも、あんなに憎いレガリスなのに、ダミー魚雷の周りに集まって大切に大切に送る所なんかは、あれレガリス可愛いんじゃないの、と一瞬錯覚してしまったよ。
社会性のある生き物だから、ちょっとそういう人間臭い描写があるとそういう錯覚を起こしてしまった。
そういう国の役人だから仕方ないんだ、の台詞は深いよね。
- 2010.05.03 Monday
- 23:01